【パワハラ防止法】対策は万全ですか?中小企業が今すぐ実施すべき3つのこと

【パワハラ防止法】対策は万全ですか?
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 その「指導」、一歩間違えば「パワハラ」です。

「最近の若者は打たれ弱いな…」
「これくらい言わないと、部下は成長しない」
「良かれと思って、厳しく指導しているだけだ」

経営者や管理職のあなたは、部下指導において、このように考えてはいないでしょうか。
しかし、その「指導」と「パワハラ」の境界線は、あなたが思っている以上に曖昧で危険なものです。

2022年4月から、すべての企業に対して「パワーハラスメント防止措置」法律で義務化されました。
これは努力義務ではありません。
対策を怠った場合、行政指導や勧告の対象となり、従わなければ企業名が公表される可能性もある、非常に重い「義務」なのです。

「うちは中小企業だから、まだ大丈夫だろう」
「社員同士、仲が良いからパワハラなんて起きるはずがない」

もし、あなたがそう思っているなら、その認識は今すぐアップデートする必要があります。
パワハラは、企業の規模や業種に関係なく、どこでも起こりうる経営リスクです。
そして、一度発生すれば、たった一人の加害者のために、会社全体が取り返しのつかないダメージを負うことになります。

この記事では、「知らなかった」では済まされないパワハラ防止法の基本から、あなたの会社を最悪の事態から守るために、中小企業が「今すぐ」実施すべき最低限の対策を3つに絞って、分かりやすく解説します。

なぜ「対策なし」は危険行為なのか?パワハラがもたらす3つの経営破壊リスク

パワハラ対策を「面倒なコスト」と捉えるのは、大きな間違いです。
それは、未来に起こりうる甚大な損失を防ぐための「必要不可欠な保険」です。
対策を怠った会社を待ち受ける、3つの破壊的リスクを見ていきましょう。

  • リスク1:【法的リスク】高額な損害賠償と信用の失墜
    被害者から訴訟を起こされた場合、会社は「安全配慮義務違反」を問われ、加害者本人と連帯して数百万円から、時には一千万円を超える損害賠償を命じられるケースも少なくありません。
    さらに、行政指導や企業名の公表に至れば、金融機関や取引先からの信用は地に落ちます。
  • リスク2:【組織崩壊リスク】静かなる連鎖退職と生産性の低下
    パワハラが横行する職場では、直接の被害者でなくても、他の社員は「明日は我が身」と怯え、安心して働くことができません。
    職場の雰囲気は最悪になり、社員のメンタルヘルス不調が多発。
    結果として、静かに、しかし確実に優秀な人材から会社を去っていき、組織は内部から崩壊していきます。
  • リスク3:【採用失敗リスク】「ブラック企業」の烙印
    現代では、SNSや口コミサイトによって、企業の評判は一瞬で拡散されます。
    「あの会社はパワハラがある」という噂が一度でも立てば、「ブラック企業」という致命的な烙印を押され、採用活動は絶望的に困難になります。
    新しい血が入らなくなった組織に未来はありません。

【これだけは押さえよう】中小企業が「今すぐ」実施すべき3つの義務

では、具体的に何から始めれば良いのでしょうか。
法律が企業に求めている措置は多岐にわたりますが、まずは以下の3つから着手してください。
これらは、パワハラ防止対策の「心臓部」です。

これがすべての出発点です。
「我が社は、パワーハラスメントを一切容認しない」という経営トップの強い意志を、言葉と形で示しましょう。

  • 具体策①:就業規則の改定
    服務規律の項目に「パワーハラスメントを行ってはならない」旨を明記し、違反した場合の懲戒処分(減給、出勤停止、懲戒解雇など)を具体的に定めます。
  • これは、パワハラが「許されない犯罪行為」であることを示す、最も強力なメッセージです。
  • 具体策②:全社員への周知・啓発
    改定した就業規則や、パワハラの定義・具体例をまとめた資料を全社員に配布します。
    そして、朝礼や全体会議の場で、社長自らの言葉で「パワハラを許さない」という方針を語り、その本気度を伝えます。

パワハラは密室で起こることがほとんどです。
被害者が一人で抱え込まず、安心して相談できるルートを確保することが、被害の拡大を防ぐ生命線となります。

  • 具体策①:相談窓口の担当者を決める
    人事担当者や、信頼できる特定の役員などを「相談担当者」として正式に指名します。
    複数の担当者(男女両方など)を置くのが理想です。
  • 具体策②:窓口の存在を周知する
    担当者の氏名と連絡先(内線番号、メールアドレスなど)を社内の掲示板やイントラネットに明記します。
    「相談者のプライバシーは厳守し、相談したことによって不利益な扱いをすることは絶対にない」という一文を必ず添えてください。

「これくらいは指導の範囲だと思った」という加害者の”悪気なき無知”が、最悪の事態を招きます。
何がパワハラに当たるのか、その「物差し」を全社員で共有することが不可欠です。

  • 具体策①:管理職向け研修の実施
    まずは、加害者になるリスクが最も高い管理職を対象に研修を実施します。
    パワハラの6類型(身体的な攻撃、精神的な攻撃、人間関係からの切り離し等)や、
    裁判例、指導とパワハラの境界線について学び、「無知」の状態をなくします。
  • 具体策②:全社員向け研修の実施
    全社員に対しても、パワハラとは何か、相談窓口はどこか、といった基本的な知識をインプットする機会を設けます。
    これにより、組織全体のパワハラに対するリテラシーが向上します。

まとめ:パワハラ対策は、「守り」と「攻め」を両立させる経営戦略

パワハラ対策は、訴訟リスクや行政指導から会社を守る「守りの一手」であると同時に、社員が安心して能力を発揮できる職場環境を整え、生産性と定着率を高める「攻めの一手」でもあります。

「面倒だ」「コストがかかる」と後回しにした結果、失うものの大きさを考えれば、今すぐ対策に乗り出すことが、いかに賢明な経営判断であるか、お分かりいただけたはずです。

「就業規則の改定、どこから手をつければいいか分からない」
「相談窓口を設置したいが、適切な担当者が社内にいない」
「中小企業向けのコストを抑えた効果的な研修プログラムはないだろうか」

もし、あなたがそうお考えなら、私たちにご相談ください。
貴社の現状をヒアリングし、法的な要件を満たすだけでなく、実効性のある仕組み作りをサポートいたします。

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