「あの時間、正直ムダじゃない…?」あなたの会社の1on1、形骸化していませんか?
「最近どう?」と上司が切り出し、部下は当たり障りのない近況報告をする。
沈黙が気まずくて、つい上司が一方的に話し続けてしまう。
結局、いつもの業務連絡や進捗確認で30分が終わり、「さて、仕事に戻ろうか」と席を立つ…。
もしあなたの会社で、このような1on1ミーティングが繰り返されているなら、社員は口に出さずとも、こう思っているかもしれません。
「この時間、本当に意味あるのかな?」と。
Googleやヤフーといった先進企業が導入し、一躍注目を浴びた「1on1ミーティング」。
社員のエンゲージメント(仕事への熱意や貢献意欲)を高め、離職を防ぐ特効薬として期待され、多くの企業が導入しました。
しかし、その一方で、「ただの雑談で終わる」「上司の説教タイムになっている」「何を話せばいいか分からず、お互いに苦痛」といった声が後を絶たないのも事実です。
なぜ、うまくいく会社と、「意味ない」ものになってしまう会社に分かれてしまうのでしょうか?
その違いは、1on1の「目的」と「やり方」を正しく理解しているかどうかにかかっています。
この記事では、形骸化した1on1を「社員が待ち遠しくなる最高の対話の時間」に変え、組織のエンゲージメントを劇的に高めるための、効果的な面談の進め方を徹底解説します。
なぜ、あなたの会社の1on1は「意味ない」のか?よくある3つの失敗パターン
1on1がうまくいかないのには、明確な理由があります。あなたの会社は、以下の失敗パターンに陥っていませんか?
- 失敗パターン1:【目的の誤解】「評価面談・進捗会議」になっている
1on1の目的は、部下の「評価(ジャッジ)」や業務の「管理(マネジメント)」ではありません。
それらをテーマにすると、部下は萎縮して本音を話せなくなります。
1on1の主役はあくまで部下であり、目的は「部下の内省と成長を支援すること」です。 - 失敗パターン2:【準備不足】「行き当たりばったり」で始めている
「とりあえず30分、時間を取って話そう」では、質の高い対話は生まれません。
上司も部下も、「何を話すか」「何を得たいか」を事前に少しでも考えておくことが重要です。
準備なき1on1は、ただ時間を浪費するだけの雑談に終わります。 - 失敗パターン3:【スキル不足】上司が「聞き役」に徹しきれていない
良かれと思ってアドバイスをしたり、自分の経験談を語りすぎたりしていませんか?
上司が話せば話すほど、部下は口を閉ざしてしまいます。
1on1における上司の役割は、優れた「話し手」ではなく、優れた「聞き手(傾聴者)」であることです。
これらの失敗は、1on1の本質を理解しないまま「流行っているから」と導入してしまった企業によく見られる症状です。
3. 【明日から変わる】「意味ある1on1」に変える効果的な進め方
では、どうすれば1on1を意味あるものに変えられるのでしょうか。
難しいスキルは必要ありません。
以下のポイントを意識するだけで、対話の質は劇的に向上します。
まず最初に、上司から部下へ1on1の目的をはっきりと伝えましょう。
「この時間は、あなたの評価をする場じゃない。
あなたの仕事の悩みや、今後のキャリアについて、一緒に考えるための時間だよ。
だから、安心して何でも話してほしい」
この一言があるだけで、部下は心理的な壁を取り払い、本音を話しやすくなります。
上司は、アドバイスしたい気持ちをぐっとこらえ、「聞く」ことに集中します。
部下の話を促す魔法のスキルが「相づち・うなずき・質問」です。
- 相づち・うなずき:「うん、うん」「なるほど」「それで?」と反応することで、「あなたの話をしっかり聞いていますよ」というサインを送る。
- 効果的な質問:「なぜそう思うの?」「具体的にはどういうこと?」「もし、何でもできるとしたらどうしたい?」といったオープンクエスチョン(開かれた質問)で、部下の考えを深掘りする。
※「はい/いいえ」で終わるクローズドクエスチョンは避けましょう。
話すテーマは、上司が決めるのではなく、部下に委ねるのが基本です。
事前に「次回は何について話したい?」と聞いておくとスムーズです。
- テーマの例:
- 業務の悩み:今、困っていること、課題に感じていること
- 人間関係:チーム内での連携、他部署との関わり
- キャリア:今後挑戦したいこと、身につけたいスキル
- プライベート:最近ハマっていること(※信頼関係構築のきっかけに)
対話の最後には、必ず「今日の話で、明日から何か一つ行動を変えてみるとしたら、何ができそう?」と問いかけ、ポジティブな未来への一歩につなげましょう。
1on1で話した内容は、簡単なメモ(議事録)に残し、双方で共有しましょう。
- 具体策:
- 話した内容の要約
- 部下が決めた「次のアクション(TODO)」
- 上司としてサポートすること
次回の1on1の冒頭で、「前回のTODO、やってみてどうだった?」と振り返ることで、会話が連続性を持ち、単発のイベントで終わるのを防ぎます。
まとめ:1on1は、エンゲージメントを高める最高の「信頼構築」ツール
「意味ない」1on1と「意味ある」1on1。
その違いは、突き詰めれば「上司と部下の間に、信頼関係が築けているか」という一点に尽きます。
社員は、「自分のことを気にかけてくれている」「自分の成長を応援してくれている」と感じられる上司や会社のためになら、自ら進んで能力を発揮したいと思うものです。
効果的な1on1は、その信頼関係を育むための、最もシンプルで強力なツールなのです。
一回一回の1on1は、小さな対話かもしれません。
しかし、その積み重ねが、社員のエンゲージメントを高め、人が辞めない強い組織の土台を築き上げます。
「理屈は分かったが、自社の管理職に浸透させるのが難しい」
「1on1をうまく運用するための、管理職向け研修を実施したい」
「そもそもエンゲージメントを高めるために、何から手をつけるべきか相談したい」
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