社外人事とは?中小企業が採用担当を外部化するメリットと注意点

「採用担当者を置くほどの規模ではない」
「経営者や総務が採用を兼任している」
「求人を出しているが、改善まで手が回らない」
「採用支援を外注したいが、どこまで任せればよいのか分からない」
中小企業の採用では、このような状況が起こります。
求人を掲載する。
応募者へ連絡する。
面接日程を調整する。
面接する。
内定を出す。
入社後にフォローする。
採用活動には多くの業務があります。
さらに、
なぜ応募が来ないのか。
求人票のどこを変えるべきか。
どの求人媒体を使うべきか。
応募後の辞退をどう減らすか。
採用した人が辞めないために何をするか。
まで改善しようとすると、通常業務と兼任しながら進めるのは簡単ではありません。
そこで選択肢になるのが、採用支援や社外人事など、採用業務の一部を外部へ相談・依頼する方法です。
ただし、採用を外注する場合も、
「全部任せればよい」
とは限りません。
外部に任せやすい仕事。
会社自身が判断すべき仕事。
一緒に進めた方がよい仕事。
があります。
また、費用を比較する時も、
採用支援会社へ支払う「支援費」。
求人媒体や広告へ支払う「実費」。
自社社員が採用へ使う「社内工数」。
を分けて考える必要があります。
この記事では、専任の採用担当者がいない中小企業向けに、採用支援へどこまで外注できるのか、自社に何を残した方がよいのか、費用をどう比較するのか、外部支援を検討した方がよい状態について具体的に解説します。
採用支援を外注する前に「どこで採用が止まっているか」を確認する
採用支援を検討する時、
「人が採れないので何とかしてほしい」
という状態から始まることがあります。
しかし、同じ「採用できない」でも、原因によって必要な支援は変わります。
まず、自社がどの段階で止まっているか確認します。
求人を出しても応募が来ない
求人を掲載している。
しかし応募がほとんど来ない。
この場合は、
求人媒体。
募集条件。
求人タイトル。
仕事内容。
会社の魅力。
写真。
応募方法。
など、応募前の段階を確認します。
求人広告を増やす前に、現在の求人票そのものに改善余地がないかを見る必要があります。
応募は来るが、採用したい人とズレる
応募数はある。
しかし、
条件が合わない。
必要な経験がない。
働き方の希望が合わない。
といった状態です。
この場合は、応募数を増やすことより、
誰を採用したいのか。
求人票で誰に向けて書いているのか。
応募条件をどう見せているか。
を整理した方がよい場合があります。
応募後に辞退される
応募はあるものの、
面接日程が決まらない。
面接前に辞退される。
連絡が途切れる。
という場合です。
求人票だけではなく、
応募後の返信。
連絡速度。
面接までの日数。
メールやメッセージの内容。
面接前に提供する情報。
まで確認します。
面接しても採用につながらない
応募者は面接まで来る。
しかし、
会社側が採用したいと思える人が少ない。
内定を出しても承諾されない。
という場合があります。
この段階では、
採用基準。
面接質問。
会社説明。
条件提示。
求職者が感じている不安。
などを見直します。
採用できてもすぐ辞める
採用人数だけを見れば成功している。
しかし入社後すぐ辞めてしまう。
この場合は、求人媒体を変えるだけでは解決しない可能性があります。
求人時に伝えた内容。
面接で説明した内容。
実際の仕事内容。
入社初日の受け入れ。
新人教育。
入社後面談。
など、採用前から入社後まで確認します。
採用業務そのものに手が回らない
採用方法以前に、
求人票を更新する時間がない。
応募状況を分析できない。
応募者への連絡が遅れる。
求人媒体を出して終わっている。
採用結果を振り返っていない。
という会社もあります。
この場合は、ノウハウだけでなく、
「採用改善を進める時間がない」
こと自体が課題です。
どこで採用が止まっているのかを整理すると、外部へ依頼する範囲を決めやすくなります。
採用支援へ外注できる主な業務
採用支援というと、
「求人広告を出してもらうサービス」
をイメージする場合があります。
しかし、支援会社によっては求人を出す前から入社後まで相談できます。
ここでは採用活動を段階ごとに整理します。
求人を出す前の採用設計
求人を出す前には、
どんな人を採用したいか。
何を任せるか。
どの条件を必須にするか。
自社のどこを魅力として伝えるか。
を整理します。
外部へ相談できる主な内容は、
・採用課題の整理
・募集職種の整理
・採用ターゲットの設定
・求人条件の整理
・自社の魅力の言語化
・他社求人との比較
・利用する採用手段の検討
などです。
応募が来ない時に、求人媒体だけを変え続けている会社では、この「求人を出す前」の整理が不足していることがあります。
求人票・採用ページの改善
実際に求職者が見る情報も外部へ相談できます。
たとえば、
・求人タイトル
・仕事内容
・給与や勤務条件の見せ方
・会社紹介
・職場の特徴
・写真
・社員紹介
・応募方法
・よくある質問
・採用ページ
などです。
求人票の文章だけを整える場合もあれば、採用サイトや動画まで含めて応募導線全体を整える場合もあります。
重要なのは、
「きれいに作ること」
ではなく、
「求職者が応募を判断するために必要な情報が揃っていること」
です。
関連記事:応募数だけでなく「欲しい人材から応募が来ない」ことが課題の場合は、求人票で仕事内容・求める人物像・職場の実態が正しく伝わっているかも確認しましょう。
求人掲載後の運用・改善
求人は、掲載したら終わりではありません。
掲載後に、
何回見られたか。
応募が何件あったか。
どの媒体から応募が来たか。
面接につながったか。
採用できたか。
を確認します。
外部支援では、
・応募状況の確認
・求人票の修正
・採用チャネルの見直し
・改善項目の整理
・定期的な振り返り
などを依頼できる場合があります。
求人広告へ費用をかけても応募が来ない場合は、追加出稿する前に改善できる場所がないか確認します。
応募者対応・面接設計
採用支援会社によっては、
応募後の連絡方法。
面接までの流れ。
面接質問。
評価基準。
応募者管理。
なども相談できます。
たとえば、
応募が来ても返信が翌日以降になる。
面接日程の候補を一つしか出していない。
面接官によって質問が違う。
採用理由や不採用理由が感覚的。
という場合です。
応募数を増やすだけではなく、応募後の歩留まりを改善することも採用活動の一部です。
入社後の定着支援
採用支援は採用した時点で終わるとは限りません。
会社によっては、
入社後面談。
新人教育。
1on1。
メンター制度。
教育担当者の役割整理。
なども相談できます。
特に、
採用できるようになったが退職が多い。
という場合は、採用前の見せ方と入社後の実態にズレがないか確認する必要があります。
外部へ任せやすい仕事と、自社に残した方がよい仕事
採用業務をすべて外部へ渡す必要はありません。
外部の専門知識を使いやすい仕事と、会社自身が関わった方がよい仕事を分けます。
外部へ任せやすい仕事
たとえば、
・現在の採用課題の分析
・求人票の客観的なチェック
・求人文章の改善
・採用ターゲットの整理
・応募導線の確認
・採用データの整理
・面接項目の設計
・運用ルールの作成
・採用ページや動画の制作
などです。
社内だけでは気づきにくい部分や、専門知識・制作スキルが必要な部分は外部を活用しやすい領域です。
自社に残した方がよい仕事
一方で、
誰を採用するかという最終判断。
会社が求める人物像。
実際の仕事内容や勤務条件。
職場の良い部分・大変な部分。
求職者へ直接伝える会社の考え方。
入社後の現場での受け入れ。
などは、外部へ丸投げしにくい部分です。
支援会社が求人票を書いたとしても、
実際にはどんな仕事なのか。
どんな人と働くのか。
何が大変なのか。
を知っているのは会社です。
採用支援会社に会社の魅力を「作ってもらう」のではなく、社内にある情報を外から整理してもらう、と考える方が適しています。
一緒に進める方がよい仕事もある
たとえば求人票です。
文章作成そのものは外部へ依頼できます。
しかし、
実際の業務内容。
社員が感じている魅力。
入社後に任せる仕事。
については社内の協力が必要です。
外部:
求職者に伝わる形へ整理する。
社内:
事実と現場情報を提供する。
という役割分担にすると、実態から離れた求人になりにくくなります。
採用支援の費用は「支援費」と「実費」を分けて確認する
採用支援を比較する時に注意したいのが費用です。
「月額○万円」
「採用1人○万円」
という数字だけでは、本当に必要な総費用を比較できない場合があります。
少なくとも、
支援費。
実費。
社内工数。
の3つに分けて考えます。
支援会社へ支払う支援費
支援費には、サービスによって、
採用相談。
定期面談。
求人票改善。
採用ターゲット整理。
採用データ分析。
応募導線改善。
面接設計。
入社後フォロー設計。
などが含まれます。
月額制。
単発。
成果報酬。
など、料金体系もサービスによって異なります。
比較する時は、
「いくらか」
だけではなく、
「何が含まれているか」
を確認します。
求人広告・媒体などの実費
採用支援費とは別に発生する可能性があるのが実費です。
たとえば、
求人媒体への掲載費。
Web広告費。
採用管理システムの利用料。
撮影費。
動画制作費。
採用サイト制作費。
などです。
支援会社へ支払う料金に含まれているのか。
別途必要なのか。
を事前に確認します。
「採用支援費」と「広告費」を混ぜて比較すると、どこへ費用を使っているか分かりにくくなります。
社内でかかる時間も費用として考える
見落としやすいのが、社内の工数です。
経営者が毎週求人票を書き直している。
店長が応募者との日程調整をしている。
総務担当者が複数の求人媒体を更新している。
という場合、広告費が安くても社内では多くの時間を使っています。
採用支援を利用することで、
経営者。
管理職。
現場社員。
の採用業務がどの程度減るのかも比較します。
採用支援の費用を比較する時に確認したい5つのこと
金額だけではなく、次の内容を確認します。
1. どこまで支援範囲に含まれているか
求人票だけなのか。
採用設計からなのか。
応募後対応までなのか。
入社後フォローまでなのか。
を確認します。
2. 求人広告費は別か
月額費用が安く見えても、毎月別途広告費が必要な場合があります。
反対に、無料で利用できる採用経路を中心に整える支援もあります。
どの採用手段を使う前提なのかを確認します。
3. 制作費は含まれるか
採用ページ。
写真。
動画。
求人画像。
などを作る場合、別料金になることがあります。
必要になる可能性がある制作物まで確認します。
4. 契約期間はどのくらいか
採用改善は、求人票を一度変更しただけで結果が判断できるとは限りません。
一方で、必要以上に長い契約が自社に合うとも限りません。
何をどの期間で改善する計画なのかを確認します。
5. 契約終了後に何が会社へ残るか
求人票。
採用ページ。
面接シート。
採用マニュアル。
運用方法。
改善ノウハウ。
などが自社に残るか確認します。
支援が終わるたびに採用活動がゼロへ戻るのではなく、自社で続けられるものが残るかも重要な判断材料です。
自社だけで対応できるケース
外部支援が必ず必要なわけではありません。
自社で改善できる場合もあります。
たとえば、
採用する職種が一つだけ。
採用頻度が高くない。
求人票を改善する時間を確保できる。
応募数や面接数を社内で記録できている。
何が原因かある程度分かっている。
改善担当者が決まっている。
という会社です。
この場合は、まず自社で、
求人票を見直す。
他社求人と比較する。
応募者からよく聞かれる質問を追加する。
応募後の返信を早くする。
など、小さな改善から始めてもよいでしょう。
外部の採用支援を検討した方がよい状態
反対に、次のような状態が続いている場合は、外部から一度採用活動全体を見てもらう価値があります。
求人広告を何度出しても応募が来ない
媒体を変える。
広告費を増やす。
掲載期間を延ばす。
を繰り返しても改善しない場合です。
求人媒体以外に原因がないか確認します。
社内に改善する人がいない
求人掲載はできる。
しかし、
分析。
改善。
求人票の修正。
応募導線の見直し。
まで担当できる人がいない場合です。
採用業務を行う人と、採用活動を改善する人は必ずしも同じではありません。
採用担当者が兼任で手が回らない
総務。
経理。
店長。
経営者。
などが採用を兼任している場合です。
採用が重要だと分かっていても、通常業務が優先され、求人改善が後回しになります。
採用できないことが事業に影響し始めている
人が足りないため、
新しい仕事を受けられない。
営業時間を増やせない。
新店舗を出せない。
現場社員の残業が増えている。
という場合です。
採用が人事だけの問題ではなく、経営上の課題になっています。
採用できても退職が続いている
この場合は、応募を増やすだけでは解決しません。
求人。
面接。
仕事内容。
教育。
定着。
を一連の流れとして確認する必要があります。
採用支援会社へ相談する前に整理しておきたいこと
相談前に完璧な資料を作る必要はありません。
ただ、次の内容があると課題を整理しやすくなります。
現在募集している求人
実際の求人URLや求人票を用意します。
採用したい人数と時期
「いつか良い人がいれば」
ではなく、
いつまでに。
何人。
どの職種。
を整理します。
現在困っていること
たとえば、
応募が来ない。
応募者が合わない。
面接辞退が多い。
採用担当者の時間がない。
退職が続いている。
などです。
これまで行った採用方法
利用した求人媒体。
採用サイト。
紹介。
SNS。
求人広告。
などを確認します。
自社で対応できる範囲
応募者への連絡は自社でできる。
面接は自社で行う。
求人票改善は任せたい。
運用分析まで任せたい。
など、役割分担を考えます。
最初から決まっていなくても構いません。
相談しながら整理することもできます。
関連記事:求人媒体への掲載を任せたいのか、採用活動そのものを改善したいのか迷う場合は、「採用支援」と「求人広告代理店」の役割の違いも確認しておきましょう。
採用支援会社を選ぶ時のチェックポイント
採用支援にはさまざまな形があります。
自社の課題に合っているか確認します。
自社の課題を先に聞いてくれるか
最初から、
この媒体を使いましょう。
このサービスを契約しましょう。
ではなく、
なぜ採用できていないのか。
を確認しているか見ます。
支援範囲が明確か
どこまでやってもらえるのか。
どこから自社対応なのか。
を確認します。
支援費と実費が分かれているか
広告費。
制作費。
システム利用料。
などが別途必要なのかを確認します。
自社で続けられる形を考えているか
外部支援を使い続けなければ採用活動が止まるのか。
それとも、求人票や運用方法が自社に残るのか。
を確認します。
自社の規模や採用頻度に合っているか
大規模採用を前提としたサービスが、小規模企業に必ず合うとは限りません。
必要な支援だけを選べるかも確認しましょう。
求人票だけが課題なら、最初から採用活動全部を外注する必要はない
ここまで読むと、
「採用全体を外注しなければならない」
と感じるかもしれません。
しかし、そうとは限りません。
たとえば、
応募が来ない。
↓
求人票に原因がありそう。
↓
まず求人票だけ第三者に見てもらう。
という始め方もできます。
反対に、
求人票を何度直しても応募が増えない。
応募後の辞退も多い。
社内に採用担当者もいない。
という場合は、求人票だけではなく採用活動全体を整理した方がよい可能性があります。
重要なのは、
「採用支援を利用するかどうか」
から考えるのではなく、
「今の採用活動のどこに問題があるのか」
から考えることです。
関連ページ:まず求人票のどこに改善余地があるか確認したい場合は、「求人票の無料ミニ診断」で現在掲載している求人を簡易診断できます。
採用支援を外注するか判断するチェックリスト
自社の採用状況
・求人を出しても応募がほとんど来ない
・応募はあるが採用したい人とズレる
・面接前辞退が多い
・内定辞退が続いている
・採用後の早期退職が多い
社内体制
・専任の採用担当者がいない
・経営者が採用まで担当している
・総務や現場責任者が兼任している
・求人を掲載した後に改善できていない
・応募数や採用数を振り返れていない
外注範囲
・求人票だけ改善したい
・採用ターゲットから整理したい
・応募導線も見直したい
・面接設計も相談したい
・入社後フォローまで整えたい
費用
・支援費に何が含まれるか確認した
・求人広告費などの実費を分けて確認した
・制作費が別途必要か確認した
・契約期間を確認した
・社内でかかっている採用工数も確認した
複数の項目に当てはまる場合は、求人広告を追加する前に一度採用活動全体を整理してみてもよいでしょう。
関連ページ:応募が来ない、面接辞退、早期離職など、採用課題ごとの具体的な改善方法は「採用・人事のお役立ち情報」にまとめています。
まとめ:採用支援は「全部任せるか、自社で全部やるか」の二択ではない
専任の採用担当者がいない中小企業では、
経営者。
総務担当者。
現場責任者。
などが採用を兼任することがあります。
その結果、
求人を出すことまではできても、
分析。
改善。
応募導線。
面接設計。
入社後フォロー。
まで手が回らないことがあります。
採用支援を利用する場合も、すべてを外部へ任せる必要はありません。
外部へ任せやすい仕事。
自社に残す仕事。
一緒に考える仕事。
を分けます。
また、費用を比較する時も、
支援会社へ支払う支援費。
求人広告などの実費。
社内の採用工数。
を分けて考えることが大切です。
求人票だけが問題なら、求人票の改善から始める。
採用担当者がいなくて改善自体が止まっているなら、採用活動全体を伴走してもらう。
採用後の退職まで課題なら、入社後フォローも含めて見直す。
というように、自社の課題に合わせて外注範囲を決めます。
採用支援を検討する最初の質問は、
「どの会社に頼むか」
ではありません。
「自社の採用は、今どこで止まっているのか」
です。
そこが分かれば、自社で改善できることと、外部へ任せた方がよいことを判断しやすくなります。
自社の採用課題がまだ分からない場合
「求人票が原因なのか分からない」
「媒体を変えるべきか迷っている」
「採用全体を外注するほどなのか判断できない」
という場合は、いきなり大きな支援を契約する必要はありません。
まず現在の求人票や採用状況を第三者に確認してもらい、どこに改善余地があるか整理する方法があります。
ローカルブランディング株式会社では、求人票のURLや内容をもとに「どこで応募を逃している可能性があるか」を確認する求人票の無料ミニ診断を用意しています。
求人票だけではなく、採用ターゲット、応募導線、面接、入社後フォローまで含めて継続的に整理したい場合は、採用・定着支援「ヒトサポ」の支援内容をご確認ください。
料金や支援範囲は変更される可能性があるため、最新情報はサービスページで確認したうえで、自社に必要な支援範囲を比較することをおすすめします。
