会議で決めたことが実行されない原因|「誰が・いつまでに」を曖昧にしない方法

会議で決めた仕事が実行されない原因を確認し担当者や期限を整理する中小企業の管理職と社員

会議では、きちんと話し合った。

「それで進めましょう」

「次回までに対応しましょう」

「この内容で一度試してみましょう」

と、その場では全員が納得している。

ところが、1週間後に確認すると、

「まだ着手できていません」

「誰がやるか決まっていましたか?」

「急ぎだと思っていませんでした」

「ほかの仕事を優先していました」

という状態になっている。

このようなことはないでしょうか。

会議で決めたことが実行されないと、

「社員の意識が低い」

「主体性がない」

「言われたことをやらない」

と考えたくなることがあります。

しかし、実際には、

・誰が担当するのか決まっていない
・期限が曖昧
・何をもって完了なのか分からない
・決定事項が議事録に埋もれている
・担当者の既存業務を調整していない
・会議後に誰も確認していない

といった「仕事の決め方」に原因がある場合があります。

たとえば、

「求人内容を見直す」

という決定があったとしても、

誰が。

どの求人を。

どこまで直すのか。

いつまでに。

誰が最終確認するのか。

が決まっていなければ、実際の仕事には変わりません。

大切なのは、

「会議で結論を出すこと」

だけではありません。

会議で決めた内容を、

「次に誰が何をするのか」

まで具体化することです。

この記事では、中小企業の経営者・管理職向けに、会議で決めたことが実行されない主な原因、担当者と期限の決め方、実行しやすい議事録、会議後の確認方法について解説します。

目次

「決まった」と「仕事になった」は違う

会議では、

「ホームページを改善しよう」

「新人教育を見直そう」

「営業資料を新しくしよう」

と方向性が決まることがあります。

これは「方針」が決まった状態です。

しかし、そのままでは実際の仕事になっていません。

たとえば、

【方針】

ホームページを改善する。

ではなく、

【実行する仕事】

○○さんが現在の問い合わせフォームを確認し、改善候補を3つ整理する。

期限は9月10日。

次回会議で確認する。

まで決まって初めて、担当者が動きやすくなります。

会議の最後に、

「これは実際の仕事として、誰が何をするのか」

へ変換しましょう。

「みんなで対応する」が止まりやすい

会議でよくあるのが、

「これはみんなで気をつけましょう」

「営業部全体で取り組みましょう」

「管理職で共有しましょう」

という決め方です。

意識を共有すること自体は大切です。

しかし、具体的な業務では、

「みんなでやる」

が、

「誰も最初にやらない」

につながることがあります。

【避けたい例】

採用ページをみんなで見直す。

【改善例】

採用ページの現状確認はAさん。

求人原稿との違いはBさん。

修正候補の取りまとめはCさん。

次回会議で確認。

共同作業でも、最初の担当者を明確にしましょう。

担当者は「部署」ではなく「人」まで決める

【避けたい例】

営業部で対応。

人事で確認。

店舗側で検討。

これでは、部署内で誰が動くのか分かりません。

【改善例】

営業部の○○さんが対応。

人事の△△さんが確認。

店舗側は□□店長が取りまとめ。

という形にします。

もちろん、実際の作業は複数人で行っても構いません。

ただし、

「最初に動く人」

「取りまとめる人」

のどちらかは決めておきましょう。

担当者を決める前に現在の業務量も確認する

管理職が、

「この仕事は○○さんが詳しいからお願いします」

と決めても、本人がすでに多くの仕事を持っている場合があります。

担当を決める際は、

【文例】

この対応を○○さんにお願いしたいと考えていますが、現在の仕事との兼ね合いで難しい時期はありますか?

と確認します。

新しい仕事を追加するのであれば、

・別の仕事を後ろへずらす
・期限を調整する
・一部を別の社員へ移す

なども検討します。

「担当者を決めた=仕事を追加してよい」

ではありません。

「できる人だから」で担当を決め続けない

会議で新しい課題が出るたびに、

「○○さんが一番分かるから」

「○○さんなら早いから」

と同じ社員へ任せていないでしょうか。

短期的には仕事が進みます。

しかし、

会議がある。

新しい仕事が出る。

できる社員へ集中する。

その社員だけ通常業務が増える。

という状態が続くと、負担が偏ります。

担当を決める際は、

「誰が一番早くできるか」

だけでなく、

「誰が担当することが今後の組織にとってよいか」

も考えましょう。

「なるべく早く」は期限ではない

会議で、

「なるべく早くお願いします」

「時間がある時に」

「今月中くらいに」

という期限を設定することがあります。

本人と上司で認識が違う可能性があります。

管理職:
今週中だと思っている。

担当者:
月末まででよいと思っている。

この違いだけでも、仕事が遅れているように見えます。

できる限り、

「9月10日まで」

「次回会議の前日まで」

「金曜日の17時まで」

など、確認できる期限を決めましょう。

期限は「完成日」だけではなく途中確認も決める

大きな仕事の場合、

「1か月後までに完成」

だけでは、途中で止まっていても気づけません。

たとえば、

新しい採用マニュアルを1か月後までに作成。

という場合です。

【改善例】

9月5日:構成案

9月12日:初稿

9月20日:社内確認

9月30日:完成

のように分ける方法があります。

すべての仕事を細かく管理する必要はありません。

長期間かかる仕事だけでも途中確認を入れましょう。

「何をもって完了か」を決める

担当者と期限が決まっていても、

「どこまでやれば終わりなのか」

が曖昧なことがあります。

たとえば、

「競合企業を調べる」

という仕事です。

担当者A:
3社のホームページを確認したら終わり。

管理職:
10社程度比較して資料にまとめると思っていた。

という違いが起こります。

【改善例】

競合企業5社について、

・サービス内容
・料金
・特徴

を1枚の表へ整理し、次回会議で共有する。

ここまで決めれば完了条件が分かります。

「検討する」は仕事として曖昧になりやすい

議事録に、

「○○について検討する」

と書かれることがあります。

しかし、

誰が。

何を材料に。

いつまでに。

どのような形で回答するのか。

が分かりません。

【避けたい例】

新しい採用制度について検討する。

【改善例】

人事担当の○○さんが、現在の採用制度の課題を3点整理し、9月15日までに管理職へ共有する。

「検討する」を、確認できる行動に置き換えましょう。

「確認する」も具体化する

同様に、

「○○さんが確認する」

だけでは曖昧な場合があります。

【例】

見積内容を確認する。

ではなく、

【改善例】

○○さんが見積書について、

・金額
・納期
・支払条件

を確認し、問題がなければ9月5日までに承認する。

確認する項目と、その後の行動まで決めます。

会議終了前に決定事項だけ読み上げる

会議中は話題が次々に変わります。

そのため、最後に5分程度、

「今日決まったこと」

だけを確認する方法があります。

【確認例】

本日の決定事項を確認します。

1つ目。

求人原稿の修正は○○さん。

金曜日まで。

修正後、△△さんが確認。

2つ目。

新人研修については□□さんが現在の資料を整理。

次回会議まで。

という形です。

この時点で、

「自分が担当だと思っていなかった」

という認識の違いにも気づけます。

議事録は会話を全部残さなくてもよい

議事録を、

「誰が何を話したか」

まで詳しく残そうとすると、作成に時間がかかります。

もちろん重要な会議では詳細な記録が必要な場合もあります。

一方、社内の定例会議で実行を重視するのであれば、

・決まったこと
・担当者
・期限
・次回確認

を中心に残す方法があります。

【例】

決定事項:
採用ページのFAQを修正する。

担当:
○○

期限:
9月10日

確認:
△△

次回:
9月12日の会議で確認

これだけでも、その後の行動がかなり分かりやすくなります。

「決まらなかったこと」も残す

会議では結論が出ないこともあります。

その場合も、

「継続検討」

だけで終わらせないようにします。

【例】

給与制度変更については今回は決定せず。

○○さんが現在の給与体系と変更案を比較し、次回会議へ提出。

次回9月20日に再検討。

という形です。

「決まらなかったことについて、次に何をするか」

まで残します。

議事録を送るだけで終わらせない

会議後に議事録をメールやチャットで送って、

「ご確認ください」

だけで終わっていないでしょうか。

重要なのは、議事録を読んだかどうかではありません。

担当者が自分の仕事を認識しているかです。

決定事項が少ない場合は、

【文例】

本日の会議で、○○さんには下記をお願いしています。

・採用ページFAQ修正
・期限:9月10日

認識違いがあればお知らせください。

と伝える方法もあります。

会議後すぐにタスクへ入れる

会議で決まった仕事を、

「議事録の中だけ」

に残すと忘れやすくなります。

会社で利用している方法に合わせて、

・タスク管理
・スケジュール
・共有表
・社内チャット
・プロジェクト管理ツール

などへ入れます。

重要なのはツールではありません。

担当者が、

「自分がいつまでに何をするのか」

を日常業務の中で確認できることです。

会議のたびにタスク管理ツールを増やさない

実行管理を改善するために、

「新しいツールを導入しよう」

となることがあります。

しかし、

会議はExcel。

タスクは別サービス。

顧客対応はメール。

社内連絡はチャット。

となると、確認場所が増える可能性があります。

新しいツールを導入する前に、

「今使っている仕組みの中で管理できないか」

も確認しましょう。

仕組みを複雑にしないことも重要です。

前回の決定事項を次回会議の最初に確認する

継続的な会議では非常に有効です。

次回会議の冒頭で、

「前回の決定事項」

を確認します。

【例】

前回の決定事項

・採用ページ修正:完了
・新人研修資料:進行中
・営業資料更新:未着手

この3つだけでも、

「会議で言っただけで終わる」

状態を減らせます。

担当者側も、

「次回確認される」

ことが分かります。

進んでいない時に、すぐ本人の責任にしない

期限になっても仕事が終わっていない場合、

「なぜやっていないのですか?」

と聞きたくなります。

しかし、まず状況を確認しましょう。

【文例】

○○について、現時点でどこまで進んでいますか?

【文例】

止まっている部分はありますか?

【文例】

ほかの業務との優先順位で難しかったでしょうか?

理由として、

・既存業務が増えた
・必要な情報がなかった
・別部署の回答待ち
・判断権限がなかった
・そもそも期限の認識が違った

などがあります。

原因によって対応は変わります。

「忙しくてできませんでした」で終わらせない

担当者から、

「忙しくてできませんでした」

と言われることがあります。

その場合、

「次は必ずやってください」

だけでは、また同じことが起きる可能性があります。

確認したいのは、

「何と比べて優先順位が低くなったのか」

です。

【文例】

この1週間で優先した仕事は何でしたか?

【文例】

今回の仕事を進めるために、どの仕事を調整すればよかったでしょうか?

【文例】

今後も同じ業務量であれば、期限を変更した方が現実的でしょうか?

管理職側も、優先順位を調整します。

緊急業務が入った場合のルールも決める

期限を決めても、突発的な顧客対応やトラブルが入ることがあります。

その場合、

「期限に間に合わないと分かった時点で相談する」

ルールを作っておくとよいでしょう。

【文例】

期限に間に合わない可能性が出た場合は、期限当日ではなく、分かった段階で相談してください。

これだけでも、

期限当日

「できませんでした」

を減らせます。

担当者に必要な権限があるか確認する

仕事を任せたものの、

「上司の承認がないと進められない」

場合があります。

たとえば、

・価格変更
・契約条件
・採用条件
・予算利用
・社外への公開

などです。

担当者を決める際に、

「この仕事を完了するために誰の承認が必要か」

も確認しましょう。

担当者だけ決めて、判断権限を渡していないことが仕事を止める原因になる場合があります。

他部署が関係する仕事は「次に渡す人」も決める

たとえば、

人事が原稿を作る。

広報が確認する。

経営者が承認する。

という仕事です。

この場合、

「人事が原稿を作る」

だけ決めても、次で止まる可能性があります。

【改善例】

9月5日:人事○○さんが初稿

9月7日:広報△△さんが確認

9月10日:社長確認

9月11日:公開

というように、工程をつなぎます。

「担当者待ち」なのか「判断待ち」なのかを分ける

仕事が止まっている時、

「○○さんの仕事が遅い」

ように見えても、実際には、

管理職の判断待ち。

取引先の回答待ち。

別部署からの資料待ち。

の場合があります。

進捗確認では、

【状態】

未着手

作業中

確認待ち

外部回答待ち

完了

などに分けると、止まっている理由が分かりやすくなります。

会議で決めることを増やしすぎない

会議のたびに、

「これも改善しよう」

「これもやろう」

と新しい仕事を追加すると、実行が追いつかなくなることがあります。

たとえば1時間の会議で、

新規タスクが15個。

発生する。

しかし通常業務は減らない。

この状態では、実行されないことが増えて当然です。

会議では、

「やることを決める」

だけでなく、

「今はやらないことを決める」

ことも必要です。

「良い案」と「今やる仕事」を分ける

会議では、良いアイデアが出ることがあります。

しかし、すべてすぐ実行する必要はありません。

【例】

良い案:
社内マニュアルを動画化する。

今やる:
まず新人研修のFAQだけ文章で整理する。

将来候補:
マニュアル動画化。

というように、

・今やる
・後で検討する
・今回はやらない

を分けます。

アイデアが出たことと、実行すると決めたことを混同しないようにしましょう。

会議の目的が「報告」だけになっていないか

定例会議で、

各担当者が順番に報告。

時間終了。

となり、最後に何をするか決まっていないケースがあります。

報告自体が必要な会議もあります。

ただし、改善や問題解決を目的とする会議なら、

「今日何を決めるのか」

を最初に確認しましょう。

【例】

今日決めたいこと

・9月求人の募集条件
・新人研修の担当
・ホームページ修正の優先順位

これだけでも、会議が結論へ向かいやすくなります。

会議の議題を増やしすぎない

1回の会議で、

採用。

営業。

クレーム。

教育。

ホームページ。

売上。

全部を話そうとすると、一つひとつの結論が浅くなることがあります。

「今日は何を決める会議か」

を絞ることも、実行率を上げる方法です。

結論まで出せない議題を大量に並べるより、重要なものから決めていきます。

管理職自身の宿題も同じように残す

部下の担当だけ細かく管理して、管理職自身の仕事が、

「社長確認」

「管理職で検討」

のまま止まることもあります。

管理職の仕事についても、

担当者。

期限。

完了条件。

を決めます。

【例】

管理職○○が、9月8日までに給与条件について社長確認。

結果を人事担当へ共有。

管理職だけ例外にしないことが大切です。

「次回話しましょう」を繰り返していないか

毎回、

「この件は次回もう一度話しましょう」

となっている議題があります。

それ自体が悪いわけではありません。

ただし、

「次回までに何を準備するのか」

がない場合、次回も同じ話をすることになります。

【改善例】

今回は結論を出さず、次回改めて検討。

その前に、

Aさん:現在のコストを確認

Bさん:他社事例を3社確認

次回:9月15日に比較して決定

とします。

次回までに情報を増やしましょう。

決定事項の一覧を残す

会議が多い会社では、議事録が増えて、

「どの会議で何を決めたか」

分からなくなることがあります。

そこで、議事録とは別に、

【決定事項一覧】

を持つ方法があります。

【管理項目例】

・決定日
・内容
・担当者
・期限
・状態
・確認者
・完了日

簡単な共有表でも構いません。

複数の会議をまたぐ仕事ほど効果があります。

完了した仕事も確認する

管理表が、

「遅れている仕事を指摘する場所」

だけになると、担当者も負担に感じます。

完了したものは、

「完了」

として消し込んでいきましょう。

【文例】

○○については予定どおり完了しています。ありがとうございます。

長い評価をする必要はありません。

「決めたことが実行された」

という事実を組織で確認することも大切です。

会議で決めたことが実行されない時のチェックリスト

会議中

・今日決めたいことが明確
・議題を増やしすぎていない
・方針だけで終わっていない
・担当者を人まで決めた
・期限を具体的に決めた
・完了条件を決めた
・確認者を決めた
・次回確認時期を決めた

担当を決める時

・現在の仕事量を確認した
・同じ社員に集中していない
・必要な権限がある
・他部署との連携を確認した
・新しい仕事を増やす場合は既存業務も調整した

議事録

・会話を全部残すことが目的になっていない
・決定事項が分かる
・担当者が分かる
・期限が分かる
・完了条件が分かる
・決まらなかった事項の次の行動も残している

会議後

・担当者へ内容が伝わっている
・議事録だけにタスクが埋もれていない
・日常的に確認できる場所へ登録した
・長期案件は途中確認を設定した
・期限変更が必要な時の相談ルールがある

次回会議

・前回の決定事項を確認した
・完了/進行中/停止を確認した
・止まっている理由を確認した
・本人の意欲だけを原因にしていない
・優先順位や業務量を必要に応じて調整した

まとめ:会議の最後に「誰が・何を・いつまでに」を残す

会議で、

「良い話し合いができた」

ことと、

「仕事が進む」

ことは同じではありません。

会議で決めたことが実行されない場合、

社員の意識や主体性だけに原因を求める前に、

・担当者が決まっているか
・期限が決まっているか
・完了条件が分かるか
・必要な権限があるか
・現在の業務量を確認したか
・会議後に確認しているか

を見直してみましょう。

特に、

「みんなで対応する」

「なるべく早く」

「一度検討する」

「次回また話す」

といった言葉は、そのままでは実際の仕事になりにくい表現です。

会議の最後に、

誰が。

何を。

いつまでに。

どの状態まで。

誰が確認するのか。

を確認します。

そして次回会議の最初に、その結果を見る。

この流れを作るだけでも、

「会議では毎回いろいろ決まるのに、何も変わらない」

という状態を減らしやすくなります。

また、仕事が進んでいなかった場合も、

「なぜやらなかったのか」

だけで終わらせないことが大切です。

仕事量。

優先順位。

情報不足。

承認待ち。

他部署待ち。

など、仕事を止めている原因を確認します。

良い会議とは、発言が多い会議や、長時間議論した会議とは限りません。

会議が終わった後に、

「次に誰が何をするのか」

が明確になっている。

そして、実際に次の行動へつながっている。

その状態を作ることが、会議を会社の改善につなげるための重要なポイントです。

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