初回発注は入ったのに追加注文がない原因|小売店との取引を「一度きり」で終わらせない方法

展示会や新規営業を続け、ようやく県外の小売店から初回発注が入った。
商品を発送し、
「ここから継続取引につながれば」
と期待していた。
しかし、その後1か月、2か月経っても追加注文がない。
こちらから連絡しようと思っても、
「まだ売れていなかったら聞きにくい」
「再注文を催促しているように見えそう」
「先方から必要になれば連絡が来るのではないか」
と考え、そのままになっていないでしょうか。
販路開拓では、新規取引を始めることに目が向きやすくなります。
展示会へ出る。
商談する。
商品資料を送る。
サンプルを送る。
見積もりを出す。
そして初回発注が入る。
ここまで進むと、
「取引先が1社増えた」
と考えたくなります。
しかし、初回発注と継続取引は同じではありません。
小売店側では、
「まず少量だけ仕入れて、お客様の反応を確認しよう」
というテスト導入の場合もあります。
商品を導入したものの、
・思ったより売れなかった
・売場で目立たなかった
・スタッフが商品を説明できなかった
・価格帯が合わなかった
・発注方法が分かりにくかった
・送料を含めると再注文しにくかった
などの理由で、そのまま取引が止まることもあります。
大切なのは、
「なぜ追加注文がないのか」
を売れなかったと決めつけることではありません。
初回導入後の状況を確認し、必要であれば改善できる部分を一緒に探すことです。
この記事では、中小企業のメーカー・生産者・商品販売事業者向けに、初回発注後に追加注文が来ない主な原因、取引先への確認方法、再注文を催促しないフォロー、売場支援、継続取引につなげる考え方を解説します。
初回発注が入った時点で「販路開拓成功」と考えない
新しい取引先から注文をもらうことは、大きな一歩です。
しかし、初回発注だけでは、その商品が取引先の売場に合っているかはまだ分かりません。
小売店側も、
「まず一度試してみよう」
という判断をしている場合があります。
たとえば、
12個だけ仕入れる。
↓
売場へ並べる。
↓
お客様の反応を見る。
↓
売れれば追加発注する。
という流れです。
メーカー側が確認したいのは、
「初回発注があったか」
だけではありません。
その後、
・実際に売場へ並んだか
・どのくらい売れたか
・どのようなお客様が買ったか
・再発注されたか
・継続取引になったか
まで見ていく必要があります。
追加注文がない主な原因
まだ商品が残っている
最も単純な理由です。
メーカー側では、
「1か月経ったのに追加注文がない」
と思っていても、小売店側ではまだ在庫が残っている場合があります。
特に、
・少量ずつ販売する商品
・高単価商品
・ギフト商品
・季節需要の商品
では、初回在庫を消化するまで時間がかかることがあります。
すぐに、
「売れなかった」
と判断する必要はありません。
売場へ出せていない
商品は納品されたものの、
・棚替えのタイミングを待っている
・担当者が忙しい
・売場が決まっていない
・社内確認が必要
・繁忙期で新商品を出せない
などの理由で、まだ販売開始されていない場合があります。
メーカー側では納品完了。
小売店側ではまだ販売準備中。
という時間差が生じることがあります。
売場で目立っていない
商品そのものに問題がなくても、
・棚の下段
・他商品に埋もれている
・商品名しか見えない
・何の商品か分かりにくい
・価格だけが表示されている
という状態では、手に取られにくいことがあります。
特に県外では、地域名や商品名だけでは価値が伝わらない場合があります。
店舗スタッフが商品の特徴を知らない
バイヤーは商品のことを理解していても、実際に売場へ立つスタッフまで情報が届いていない場合があります。
お客様から、
「これはどんな商品ですか?」
と聞かれた時に、
「新しく入った商品です」
としか答えられなければ、販売機会を逃すことがあります。
商品説明を長くする必要はありません。
店舗スタッフが一言で説明できる情報を用意すると役立ちます。
価格帯が売場と合っていない
商品単体では妥当な価格でも、周囲の商品との比較で高く見える場合があります。
たとえば、
同じ売場の商品が700~900円中心。
↓
自社商品が1,500円。
という場合です。
商品価値が低いわけではなく、売場との価格帯が合っていない可能性があります。
想定した顧客と実際の顧客が違う
メーカー側では、
「ギフト向け」
と考えていたものの、実際の店舗では自宅用購入が多い。
観光客向けに提案したものの、地元のお客様が中心だった。
このように、想定と実際の客層が異なることがあります。
商品が悪いのではなく、売場との組み合わせに問題がある可能性があります。
初回商談の段階から、商品の説明だけでなく、相手の売場や顧客について確認しておくと、導入後のミスマッチを減らしやすくなります。
再発注の最低ロットが大きい
初回だけ少量で導入できたものの、2回目から通常ロットになる場合があります。
たとえば、
初回:12個
2回目以降:48個
という条件です。
店舗側では、
「12個は売れたが、次に48個仕入れるほどではない」
と判断するかもしれません。
送料負担が大きい
商品が売れていても、
「追加で1ケースだけ頼むと送料が高い」
という理由で発注を待つ場合があります。
複数商品をまとめる。
一定数量まで待つ。
他の仕入れタイミングと合わせる。
など、店舗側にも事情があります。
発注方法が分かりにくい
意外と見落としやすい原因です。
初回発注は営業担当者が直接受けたものの、2回目から、
「どこへ注文すればよいのか」
「メールでよいのか」
「発注書が必要なのか」
が分からない場合があります。
小さな手間でも、再発注を遅らせる原因になります。
初回納品時に「次の確認」を決めておく
追加注文につなげるためのフォローは、注文が止まってから考えるより、初回納品時に決めておく方が自然です。
【文例】
このたびは初回のご注文ありがとうございます。
実際に売場へ並べていただいた後、2~3週間ほどしましたら、お客様の反応や販売しにくい点がないか一度伺ってもよろしいでしょうか。
この一言があれば、その後の連絡は、
「追加注文してください」
ではなく、
「販売状況の確認」
になります。
納品後すぐに再注文を聞かない
商品を納品して数日後に、
「追加注文はいかがでしょうか?」
と聞いても、店舗側はまだ判断できない場合があります。
まず確認したいのは、
・問題なく届いたか
・予定どおり売場へ出せたか
・商品情報で不足しているものはないか
です。
【文例】
先日は商品をご注文いただきありがとうございました。
商品は問題なく到着しておりますでしょうか。
売場へ並べる際に、商品説明や画像など追加で必要なものがございましたらお知らせください。
再発注より先に、販売開始を支援します。
2~4週間後に販売状況を確認する
商品や売場によって期間は異なりますが、一定期間後に状況を確認します。
【文例】
先日は○○をお取り扱いいただきありがとうございます。
導入から少し時間が経ちましたので、その後の売場での状況を伺えればと思い、ご連絡しました。
現時点で追加注文をお願いしたいという趣旨ではなく、
・お客様の反応
・販売しにくい点
・商品説明で不足している情報
などがないか確認できればと思っております。
このように、
「再注文の催促ではない」
と分かる聞き方にすると連絡しやすくなります。
取引開始前の商談で「検討します」と言われた段階のフォローについては、しつこくならない再連絡の方法も確認してみてください。
「売れていますか?」だけでは答えにくい
【文例】
商品、売れていますでしょうか?
と聞くと、
「まあまあです」
「まだ何とも言えません」
という回答になりやすくなります。
具体的に質問しましょう。
販売数について
【文例】
差し支えなければ、現在どのくらい在庫が残っていますでしょうか。
お客様について
【文例】
ご購入いただいているのは、ご自宅用とギフト用途ではどちらが多そうでしょうか。
売場について
【文例】
現在はどのような売場へ置いていただいていますでしょうか。
商品説明について
【文例】
お客様からよく聞かれる質問などはございますでしょうか。
改善点について
【文例】
実際に販売していただいて、扱いにくいと感じる点があれば率直に教えていただけますでしょうか。
具体的な情報があれば、次の改善につなげられます。
売れていないと言われた時に避けたい反応
取引先から、
「正直、あまり動いていません」
と言われることがあります。
営業担当者としては残念に感じるでしょう。
しかし、すぐに商品の良さを説明し直すことは避けます。
【避けたい文例】
ほかのお店では売れています。
もっと目立つ場所へ置いていただければ売れると思います。
必ず売れる商品です。
相手へ責任を押し付ける印象になる可能性があります。
【改善例】
率直に教えていただきありがとうございます。
差し支えなければ、どのような売場へ置いていただいているかと、お客様から何か反応があったか教えていただけますでしょうか。
原因を一緒に確認します。
売れていない原因を4つに分けて考える
商品が動かない時は、大きく分けて次の4点を確認します。
1. 商品
・味
・品質
・容量
・デザイン
・パッケージ
2. 価格
・売場の価格帯と合うか
・競合商品と比べてどうか
・お客様が価値を理解できるか
3. 売場
・どこに置かれているか
・商品が見えるか
・他の商品に埋もれていないか
・適切なカテゴリーに置かれているか
4. 伝え方
・何の商品か分かるか
・地域性の意味が伝わるか
・利用場面が分かるか
・スタッフが説明できるか
最初から、
「商品に問題がある」
「店舗の売り方が悪い」
のどちらかに決めないことが大切です。
POPを用意するだけで解決するとは限らない
商品が売れないと、
「POPを作りましょう」
となることがあります。
POPは有効な場合があります。
しかし、
・売場そのものが合っていない
・価格帯が合わない
・顧客層が違う
場合は、POPだけで解決できないことがあります。
まず原因を確認し、必要であればPOPを作ります。
POPには「メーカーが伝えたいこと」だけを書かない
地域商品のPOPで、
「○○県の自然豊かな環境で育った○○を使用」
など、商品ストーリーだけが書かれていることがあります。
もちろん地域性は重要です。
ただ、お客様が短時間で見るPOPでは、
・何の商品か
・どのような味か
・誰におすすめか
・どのような場面に合うか
も大切です。
【例】
熊本県産○○を使用
常温で持ち運びやすい
1,000円前後の手土産に
というように、購入場面まで伝える方法があります。
店舗スタッフ向けの「一言説明」を用意する
商品を販売する際、スタッフが商品のことを長く覚える必要はありません。
一言で説明できる内容を作ります。
【例】
「熊本県産○○を使った、常温で持ち運べる焼菓子です」
【例】
「個包装なので職場へのお土産にも選ばれています」
この程度でも、お客様との会話に使えます。
商品資料とは別に、
「スタッフ向け商品説明」
を1枚用意する方法もあります。
バイヤーや店舗担当者が商品を社内共有しやすい資料の作り方については、商品資料の記事でも詳しく解説しています。
商品画像を提供する
店舗がSNSやECで商品を紹介する場合、きれいな商品画像が必要になります。
店舗側に毎回撮影してもらうのではなく、
・白背景商品写真
・パッケージ写真
・使用イメージ
・ギフトイメージ
などを提供できる状態にすると便利です。
ただし、利用可能な範囲も一緒に伝えましょう。
商品の見せ方や、文章だけでは伝えにくい特徴を写真・動画で伝える方法については、動画・ホームページ関連の記事も参考にしてください。
SNS投稿をお願いしすぎない
取引開始後、
「Instagramで紹介してください」
「投稿いただけると助かります」
と依頼したくなることがあります。
店舗側にも販促計画があります。
取引条件に含まれていないのであれば、当然の対応として求めない方がよいでしょう。
一方で、
「必要でしたら投稿用画像をご提供できます」
と支援することはできます。
店舗が使いやすい素材を用意する考え方です。
初回販売後に「どのお客様が買ったか」を聞く
実際の購入者を確認すると、メーカー側の想定と違うことがあります。
たとえば、
想定:
観光客向け
実際:
地元のお客様が手土産として購入
という場合です。
この情報は非常に重要です。
【文例】
差し支えなければ、ご購入されているお客様について何かお気づきの点はございますか?
観光客が多い、地元のお客様が多い、ギフト利用が多いなど、大まかな内容だけでも参考になります。
次の営業先や商品説明にも活用できます。
店舗での売れ方を次の営業に生かす
初回取引先から得た情報を、その店舗だけの改善で終わらせないようにします。
【例】
ホテル売店で、1,000円前後の手土産として動いた。
↓
同じようなホテル売店へ営業する。
【例】
観光土産より地元向けギフトとして反応が良かった。
↓
ギフトショップへ提案する。
【例】
大きな店舗より小規模な専門店で売れた。
↓
小規模店舗向けの営業を増やす。
実際の販売結果を、次の営業先選定へ使います。
県外で取引先を増やす際は、地域性だけではなく、実際にどのような売場・顧客と相性がよいのかを整理して営業先を選ぶことも大切です。
初回発注量が適切だったか確認する
追加注文が遅い原因として、
「最初に仕入れすぎた」
可能性があります。
営業側は売上を作るために、
「最初は3ケースお願いします」
と提案したくなることがあります。
しかし、初めて扱う商品を大量に仕入れると、在庫消化に時間がかかります。
結果として、
「追加注文が半年来ない」
状態になることもあります。
最初は無理のない数量から始め、売れ方を確認しながら増やす方が継続取引につながりやすい場合があります。
「初回だけ小ロット」にした後の条件も確認する
初回導入をしやすくするため、
初回:12個
通常:48個
としている場合です。
12個が順調に売れていても、次の48個が大きな壁になることがあります。
【文例】
初回分の動きが良いようでしたら、通常ロットについても実際の販売状況を見ながら一度ご相談できればと思います。
採算を守りながらも、継続しやすい条件を検討します。
卸価格、最低発注数、送料、納期など、継続取引にも影響する基本条件については、商談前に整理しておくことが大切です。
送料が再発注のタイミングを遅らせることがある
店舗側では、
「あと10個欲しい」
と思っていても、
「送料を考えると、もう少しまとめて注文しよう」
となることがあります。
そこで、
・他商品との混載
・一定金額以上で送料無料
・配送日をまとめる
・複数店舗分をまとめる
など、可能な方法があるか確認します。
すべて自社負担にする必要はありません。
再発注の障壁が何かを知ることが大切です。
再発注方法を簡単にする
継続取引では、
「欲しい時にすぐ注文できる」
ことも重要です。
たとえば、
・メール
・FAX
・発注フォーム
・オンライン注文
・営業担当者への連絡
などがあります。
複雑な申請を毎回求めるより、取引先が使いやすい方法を整理しましょう。
【文例】
追加発注は、こちらのメールへ商品名と数量をご連絡いただくだけで承ります。
など、明確に伝えます。
「そろそろ在庫がなくなる頃です」と決めつけない
メーカー側で、
「通常なら1か月で売れるはず」
と考え、
【避けたい文例】
そろそろ在庫がなくなる頃かと思いますので、追加注文はいかがでしょうか。
と送ることがあります。
実際には残っているかもしれません。
【改善例】
前回の納品から約1か月経ちましたので、販売状況を確認できればと思いご連絡しました。
現在の在庫状況や、お客様からの反応はいかがでしょうか。
まず事実を確認します。
売れている場合もすぐに数量を増やしすぎない
店舗から、
「思ったよりよく売れています」
と言われると、
「次は倍の数量を入れましょう」
と提案したくなります。
しかし、最初だけ新商品として動いた可能性もあります。
まずは、
・どの期間で売れたか
・どの顧客が買ったか
・特別な催事がなかったか
・どの場所に置かれたか
を確認しましょう。
継続的に売れる状態かを見ながら数量を調整します。
追加注文をもらったら「なぜ売れたか」を聞く
追加注文が来たこと自体を喜んで終わらず、その理由を確認します。
【文例】
追加のご注文ありがとうございます。
今後の商品提案の参考にしたいため、差し支えなければ、どのようなお客様にご購入いただくことが多かったか教えていただけますでしょうか。
【文例】
売場で特に反応が良かったポイントなどがございましたら、今後の販促にも生かしたいと思っています。
継続取引先から得られる情報は、新規営業にも活用できます。
取引先ごとの再注文間隔を記録する
継続取引が増えてきたら、
「どのくらいの間隔で注文が入るか」
を記録します。
【例】
A店:毎月
B店:2か月に1回
C店:年末のみ
D店:催事時のみ
こうすると、
「注文が来ていない=問題」
なのか、
「通常の注文間隔」
なのか判断しやすくなります。
季節商品は次の需要時期を記録する
ギフト、土産、季節商品などは、通年で同じように売れるとは限りません。
たとえば、
・お中元
・お歳暮
・年末年始
・母の日
・帰省シーズン
・観光シーズン
などです。
初回取引後に、
【文例】
御社では、このような商品の動きが大きくなる時期はございますでしょうか。
と確認しておきます。
次の需要期前に連絡できます。
追加注文がない取引先を永遠に追い続けない
一度取引した企業だからといって、いつまでも毎月連絡する必要はありません。
たとえば、
・複数回確認しても在庫が動かない
・商品が売場に合わない
・取扱終了の意向がある
・店舗方針が変わった
場合です。
その際は、
「失注」
と考えるより、
「この店舗との商品相性が分かった」
と捉えることもできます。
今後別の商品が合う可能性もあります。
取扱終了の理由を聞けると次に生かせる
取引先から、
「今回は追加注文しません」
と言われた場合です。
無理に引き止めず、可能であれば理由を聞きます。
【文例】
承知いたしました。
これまでお取り扱いいただきありがとうございます。
今後の商品改善の参考にしたいため、差し支えなければ、今回追加を見送られる一番大きな理由を教えていただけますでしょうか。
たとえば、
・販売数
・価格
・売場
・ロット
・送料
・別商品への入れ替え
などがあります。
この情報が複数店舗で共通していれば、改善すべきポイントが見えてきます。
初回導入後の情報を一覧で管理する
新規取引先が増えるほど、営業担当者の記憶だけでは管理できません。
簡単なスプレッドシートでも構いません。
【管理項目】
・取引先名
・店舗名
・初回発注日
・初回数量
・商品
・売場
・初回納品日
・フォロー予定日
・販売状況
・在庫状況
・お客様の反応
・追加発注日
・追加発注数量
・再注文間隔
・改善点
・次回連絡予定
「初回発注済み」で止めず、その後を記録します。
新規取引件数だけでなく「継続率」も確認する
販路開拓の成果を、
「今年は新規取引先が20社増えた」
だけで評価すると、本当の状況が分からない場合があります。
たとえば、
新規取引先20社
↓
追加発注あり5社
↓
継続取引3社
であれば、初回導入後に改善余地があるかもしれません。
確認したいのは、
・新規取引先数
・初回発注数
・2回目発注数
・3回以上の継続取引数
・平均再注文間隔
・取扱終了理由
などです。
営業活動の問題なのか。
商品と売場の問題なのか。
取引条件の問題なのか。
を考えやすくなります。
継続取引先を増やすことも販路開拓
販路開拓というと、
「新しい会社へ営業すること」
に注目しがちです。
しかし、
新規取引先を10社増やして、9社が一度きり。
よりも、
5社と取引を始め、そのうち4社から継続注文が入る。
方が、安定した販路につながる場合があります。
新しい営業先を探すことと同時に、
「すでに取引が始まった企業が販売しやすい状態を作る」
ことも重要です。
継続取引先へのフォローで避けたいこと
注文の催促だけをする
【避けたい文例】
次の注文はいかがでしょうか。
在庫はなくなりましたでしょうか。
注文を取ることだけが目的に見えやすくなります。
毎月同じメールを送る
毎月、
「その後いかがでしょうか」
だけでは、相手にとって新しい情報がありません。
売れない原因を店舗だけに求める
「もっと目立つ場所へ置いてください」
「スタッフの方からおすすめしてください」
と要求する前に、商品・価格・資料側にも改善余地がないか確認します。
頼まれていない販促物を大量に送る
POPやポスターが必要とは限りません。
使えるスペースも店舗ごとに異なります。
【文例】
必要でしたら、A5サイズのPOPや商品画像もご用意できます。
と選択肢として案内します。
取引開始後に条件を頻繁に変える
卸価格、ロット、送料などが頻繁に変わると、店舗側も継続しにくくなります。
変更が必要な場合は、理由と適用時期を分かりやすく伝えましょう。
初回発注後のフォローチェックリスト
納品時
・商品が問題なく届いたか確認した
・販売開始予定を把握した
・売場に必要な商品情報を渡した
・追加画像などを提供できる状態にした
・再発注方法を案内した
・次回確認時期を決めた
販売開始後
・実際に売場へ出たか確認した
・どの売場に置かれているか把握した
・お客様の反応を聞いた
・在庫状況を確認した
・店舗スタッフが説明しにくい点を確認した
・必要な販促支援を確認した
売れている場合
・どの顧客が購入しているか聞いた
・売場位置を確認した
・売れた理由を推測だけで決めていない
・追加数量を増やしすぎていない
・再発注間隔を記録した
売れていない場合
・すぐに商品説明をやり直していない
・商品・価格・売場・伝え方を分けて確認した
・顧客層が合っているか確認した
・価格帯を確認した
・最低ロットや送料も見直した
・必要であれば取扱終了も受け入れている
継続管理
・初回発注だけを成果にしていない
・2回目発注率を確認している
・取引先ごとの注文間隔を記録している
・季節需要を記録している
・取扱終了理由を残している
・継続取引先から得た情報を新規営業へ活用している
まとめ:初回発注の後から「本当の販路」が始まる
新しい小売店から初回発注が入ることは、販路開拓において大きな成果です。
しかし、そこで終わりではありません。
初回発注は、
「この商品を一度売場で試してみる」
という段階の場合もあります。
その後追加注文がない理由には、
・まだ在庫が残っている
・売場へ出せていない
・売場で目立っていない
・スタッフが商品を説明できない
・価格帯が合わない
・顧客層が違う
・通常ロットが大きい
・送料が負担になっている
・再発注方法が分かりにくい
などがあります。
追加注文がないからといって、
「商品が売れなかった」
と決めつけないことが大切です。
まず、
「実際の売場で何が起きているのか」
を確認します。
その際、
「次の注文はいかがでしょうか」
と聞くのではなく、
・お客様の反応
・在庫状況
・売場
・販売しにくい点
・不足している商品情報
を確認します。
そして、商品が動いている場合は、
「なぜ売れたのか」
も聞きましょう。
購入者。
用途。
売場。
価格帯。
店舗スタッフの説明。
こうした情報は、次の営業先を探す際の重要な材料になります。
販路開拓では、
新しい取引先を増やすこと。
だけでなく、
一度取引が始まった店舗で継続して売れる状態を作ること。
も重要です。
初回発注。
↓
販売状況の確認。
↓
改善。
↓
追加発注。
↓
継続取引。
という流れまで見ていくことで、
「取扱店舗数」
ではなく、
「実際に商品が動いている販路」
を増やすことにつながります。
販路開拓でお悩みの方へ
ローカルブランディング株式会社では、九州の中小企業向けに販路開拓支援「モノサポ」を提供しています。
新しい取引先を探すだけではなく、商品資料、バイヤー商談、取引条件、初回導入後のフォロー、売場での伝え方、ホームページや動画を活用した商品PRなど、継続取引につなげるための実務を支援しています。
「初回発注までは入るが追加注文につながらない」
「取扱店舗は増えたが、実際に売れているか分からない」
「取引開始後にどこまでフォローすればよいか分からない」
「追加発注がない理由を整理したい」
といった場合も、現在の取引状況や営業方法を確認しながら、優先して改善する内容を整理します。
各種支援に関するよくある質問もご確認いただけます。
販路開拓や商品PRについてお悩みの場合は、お気軽にご相談ください。
